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[不動産会社・デベロッパー]の基礎知識

不動産開発で新たな価値創出、デベロッパーの腕の見せ所

不動産(土地や建物)に関する多岐にわたる業務を行う企業は、不動産会社と総称されています。不動産の売買や賃貸、管理などが主たる業務ですが、個人の不動産所有者などから依頼され、取引の仲介や代行を手掛けることもあります。多くの人は「まちの不動産屋さん」をイメージされるでしょう。
不動産会社の中でも、ビルやマンションの開発業務を手掛ける企業は、デベロッパーと呼ばれます。開発したビルのオフィスをテナントに貸したり、マンションの住戸を分譲したりして収益を得ています。旧財閥の流れを汲む三井不動産は最大手。日本発の超高層ビル「霞が関ビルディング」や近年では東京ミッドタウン日比谷の開発を手掛けています。三菱地所は、明治時代に政府から軍用地として使われていた皇居前の荒れ地の払い下げを受け、今日の丸の内を開発しました。住友不動産はオフィスビルの開発も行っていますが、ハウジング事業や分譲マンションをバランスよく展開し、メジャーセブンとして知られるマンション開発の大手7社(三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産)に名を連ねます。その他、鉄道系の東急不動産は、駅を中心とした街づくりに強みを持ちます。港区の大家さんと呼ばれ、虎の門ヒルズなど都心の大規模開発で独自の存在感を見せる森ビルも有名です。
土地や資金さえあれば、どんなビルでも建てられるわけではありません。国や地方自治体が定めた都市計画に沿って開発しなければなりません。都市計画では、エリアごとに許される建物の用途や高さが決められています。さまざまな制約がある中で、いかに最大限の価値を持つ建物をつくれるかが、デベロッパーの腕の見せ所です。
一方、建物を新設すれば、その分「ストック」が増えることになります。特にマンションについて、600万戸を超えるストックのうち、旧耐震基準のもと建設されたものも未だ多く残っており、それらの耐震不足が課題となっています。個人住宅の建て替えならまだしも、多くの地権者が関わる再開発などは一般の人たちの手には負えません。そういった場合、デベロッパーは開発業務を引き受け、専門的なノウハウを発揮しています。

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地域のまちづくりを手掛けるなど役割の多様化が進む

不動産会社・デベロッパーの役割は、開発して終わりではありません。ビルにテナントが入り、マンションで住民が暮らすようになってからも、建物の質・魅力を維持し、資産価値を落とないようにする努力が必要です。適切な維持管理や修繕が第一の方策となりますが、魅力向上の観点から「まちづくり」に積極的に取り組む企業も増えています。まちの人気が高まり、多くの人々で賑わうようになれば、開発した建物の価値向上にもつながるからです。周辺の商店や住民も参加するイベントを企画する企業も多く、地域活性化に一役買っています。
また、地震や豪雨が頻発する中、地域防災に力を入れる企業も多くなっています。建物の耐震性向上などハード面の対策に加え、災害発生時の対応力強化などソフト面の取り組みも目立ちます。テナント企業や住民を対象に避難訓練などを実施し、万が一の事態に備えています。電力や水などが途絶えてもテナント企業の事業が継続できるようにするBCP(事業継続計画)対応のニーズも高まっており、不動産会社・デベロッパーに求められる役割は多様化しています。

 

アフターコロナの都市の姿を描く

近年、デベロッパーは不動産を証券化することで成長を続けてきました。土地や建物はそのままでは切り売りできないため、有価証券に形を変えて細かく分割することを証券化と言います。細分化することで多くの人に購入してもらえるため、容易に資金調達ができます。デベロッパー各社は開発した建物を証券化し、資金調達した上で新たな開発に乗り出すというサイクルを回してきました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大からそのサイクルも曲がり角を迎えています。在宅ワークの浸透により、オフィスの需要が減退すると言われています。都心部の高層マンションが人気でしたが、在宅ワークで通勤する必要がなくなれば、住居を都心ではなく郊外に求める動きも出てくるでしょう。一見すると不動産市場においては逆風ですが、一方で新しい都市の在り方や人の働き方、住まい方をつくっていくのもデベロッパーの仕事です。三密を避けたオフィスや店舗、郊外におけるオフィスビル、在宅ワークに適した住宅など新たなビジネスチャンスが生まれています。これまで蓄積してきた開発のノウハウを生かし、不動産会社・デベロッパーが活躍するフィールドがさらに広がると期待されています。

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